贈与の特例 子供を支援しながら節税! 非課税制度を利用しよう|不動産相続の相談窓口|株式会社マトリックストラスト
相続税対策として「贈与(生前贈与)」を活用する人は多いものの、条件さえ満たせばさらに税金がおトクになる制度についてはあまり知られていません。
これはいわゆる“贈与の特例”に関連するもので、上手に活用することができれば、より大きな節税効果が期待できます。制度の内容を確認していきましょう。とくにオススメなのは、「住宅取得等資金の贈与税の特例」、「教育資金の贈与税の特例」、「結婚・子育て支援の贈与税の特例」の3つです。これらの非課税枠は、
各家庭の状況に応じて活用できるものであり、また節税メリットが得られやすいという特徴があります。それぞれの制度について理解し、必要に応じて活用できるようにしておきましょう。

❏ 住宅取得等資金の贈与税の特例
住宅取得等資金の贈与税の特例とは、子どもや孫に対して、“住宅を購入するための資金援助”をした場合、一定の金額までの贈与は非課税になる制度のことです。贈与を受けた人ごとに省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。
なお、既に新非課税制度の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となります。

※「省エネ等住宅」とは家屋の区分の応じ、省エネルギー性能、耐震性能またはバリアフリー性能のいずれかの基準(省エネ等基準)に適合する住宅用の家屋であることにつき、住宅性能証明書など一定の書類を贈与税の申告書に添付することにより証明されたものをいいます。
※「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」国税庁
この制度は非課税となる金額が大きく、また住宅購入のタイミングに合わせて活用できることもあり、利用している方も多いようです。しかし、既存の住宅ローンに適用できるわけではなく、あくまでも新たに住宅を取得した場合の資金援助にしか適用できない点には注意が必要です。
また、贈与額が非課税枠に収まっている場合でも、必ず申告をしなければなりません。「どうせ非課税なのだから」と何もしなければ、通常の贈与と同じ税金が課せられてしまいます。また、申告期限である 3月15日を超えてしまうと特例が適用できなくなってしまうため、忘れずに申告するようにしてください。
❏ 教育資金の贈与税の特例
次に、教育資金の贈与税の特例について見ていきましょう。教育資金の贈与税の特例とは、令和8年3月31日までに、30歳未満の子どもや孫に対して“教育資金”を贈与した場合、1,500万円までの部分が非課税となる制度のことです。住宅の特例と同じように用途が限定されているものの、非課税の対象となる金額が大きく、相続対策としても有効な手法と言えるでしょう。
しかもこの制度における教育資金とは、いわゆる学校に対して支払われる「授業料」だけでなく、民間の塾や各種スクール(スポーツ系含む)、あるいは留学のための費用等についても対象になるとされています(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とします)。このように教育資金の贈与税の特例は、様々な用途に使うことができ、非常に使い勝手が良い制度です。
ただし、注意点としては、「教育費の領収書を金融機関に提出しなければならないこと」や「30歳までに使い切る必要があること」などが挙げられます。子どもや孫が30歳に達した場合に教育資金に残額があると、その残額は贈与があったものとされ、贈与税の計算を行い、申告・納税しなければなりません。令和5年4月1日以降に贈与され、30歳に達した時に発生した残額については、すべて一般税率が適用されます。
また、今までは贈与者が亡くなった時に、贈与されたものの使っていない残額があった場合でも、子どもや孫が①23歳未満の場合②学校に在学している場合③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合は、相続税の計算の対象外でした。
しかし、令和5年4月1日以降に贈与者から教育資金を取得し、同日以後にその贈与者が亡くなったときにおいて、上記①~③の条件に該当しても、贈与者の相続財産の課税価格の合計額が5億円を超えるときは、相続等によって取得したものとみなされます。
非課税対象として認められるためには、それなりの手続きを踏まなければならないと理解しておきましょう。※「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」国税庁


